クレイアニメ(人形の作り方)

着色の必要もなく粘土をこねるだけで人形を作ることが出来るので、初心者でも簡単にコマ撮りをすることが出来ます。
クレイアニメは時間が経っても固まらない油粘土を使うので形を自由に変えることが出来ます。この形を変える変形(メタモルフォーゼ)が クレイアニメの一番の特徴と言ってもいいと思います。ここではクレイアニメの人形の作り方を紹介したいと思います。


材料

粘土
人形アニメーション用の粘土「Plastelene (プラスタリーナ)」や「claytoon(クレイトーン)」が有名です。粘土同士を混ぜて好きな色を作ることもできます。


粘土の保存について
使いかけの粘土は厚手のジッパーが付いたビニール袋やタッパーなどに入れてホコリがつかないように保存します。

鉛線(なまりせん)
人形に骨組みを使う場合に使用します。詳細はワイヤーアーマチュアのページを参照ください。

紙テープ
糸ヒューズに巻いて粘土の食いつきを良くします。使い方はワイヤーアーマチュアのページを参照ください。


作成例

人形を作る環境です。

1 作業台 人形が汚れないようにきれいなものを使います。
2 スパチュラ・粘土ベラ 細かい箇所の整形などに使います。
3 ぞうきん 濡らして軽くしぼっておきます。手や作業台・スパチュラはよく拭いて粘土の色が混ざらないように注意します。
4 トナー 完成した人形を保管しておく場所はあらかじめ用意しておきましょう。
5 粘土 作業中に粘土が汚れないように容器に入れておきます。

まずは簡単な人形です。目はプラスチックのパーツを使っています。
これぐらいの人形なら骨組みは必要ありません。粘土を使って好きな形に整えていけば完成です。

しかし、下のような手足が細い人形を作ろうとすると、粘土だけでは支えきれないので骨組みが必要になってきます。
骨組みはバルサ材やスタイロフォーム(発泡ポリスチレン)を削って作ったコアに紙を巻いた糸ヒューズまたは鉛線を刺します。エポキシ系接着剤や、木工用ボンドを使ってしっかり固定しましょう。使う鉛線または糸ヒューズの太さは、手・足に粘土をつけた状態で腕や脚を上げても自然に下がってこないぐらいがちょうどいいです。骨組みが硬すぎると人形を動かすときに手足を指で掴んだ時につぶれてしまうので注意しましょう。ある程度はどうしてもつぶれてしまいますが、毎回、形を修正します。形を整えながら撮影しないといけないのがクレイアニメの大変なところです。

先ほどから目にプラスチックパーツを使っていますが、小さいパーツやディテールの細かいパーツは硬いもので作ると あとでアニメーションを撮るときに動かしやすくなります。 素材はプラスチック以外でも紙粘土やパテで作り、固まってから着色して使うことも出来ます。 しかし、硬い素材で作るということは、その箇所は自由に動かなくなるということです。人形がどういう動きをするのかを、よく考えてから必要なところに硬いパーツをうまく使っていきましょう。
クレイアニメで使う人形は細かいディテールをつけても、人形を動かすときに指で触れた箇所が崩れてしまいます。人形のデザインや構造は、人形を動かす時のことをよく考えて決めましょう。せっかく作った人形が、動かし始めたらすぐに形が崩れてしまったら撮影が大変です。
また、上記の作例では一色で人形を作ってきましたが、別の色を使って人形を作ることももちろん出来ます。 しかし、色が混ざったり汚れやすくなるので複数色の粘土を使うときは雑巾をよく使って指先や道具をきれいにしながら作業を進めていきましょう。
初心者が体験で動かす分にはあまり汚れを気にせずに自由に動かしたほうが面白いですが、きちんとした作品を作ろうとする 場合は、十分に注意が必要です。


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